TECHNOLOGY
BIOLOGICAL CONTROL
サシバエを、天敵で抑える
キャメロンコガネコバチは、サシバエの蛹に寄生する在来寄生蜂です。その生態を利用した生物的防除を研究、事業化しています
FIELD IMPLEMENTATION
研究室から、牛舎など畜産の現場へ
防除効果だけでなく、堆肥管理など既存の対策との組み合わせ、投入時期、運用方法まで含めて、実際の畜産現場で続けられる仕組みを研究開発しています
HOW IT WORKS
サシバエを、成虫になる前に抑える
殺虫剤による防除は、主に発生したサシバエの成虫を対象とします。
一方、キャメロンコガネコバチはサシバエの「蛹」(成虫になる前の状態)に寄生します。
サシバエが成虫として飛び始める前の段階で、発生を抑えることができるのが特徴です。
成虫になってから対処するのではなく、
次の世代が増える前に抑える
キャメロンコガネコバチは、サシバエの発生サイクルそのものに働きかける、自然のメカニズムを利用した防除方法です。
寄生の仕組み
1
サシバエは卵・幼虫・蛹・成虫の順に成長します。キャメロンが狙うのは、このうち蛹の時期です。
2
キャメロン成虫はサシバエの蛹を探索し、蛹の内部に卵を産み付けます。これにより、サシバエはそのまま正常に羽化しにくくなります。
3
キャメロンの卵は蛹の中で発育し、幼虫、蛹、成虫へと成長します。つまり、サシバエの蛹を資源として、寄生蜂の一生が進みます。
4
最終的にサシバエではなく、キャメロン成虫が羽化します。このサイクルを活用することで、サシバエ成虫の発生を抑えることが期待されます。
BACKGROUND
サシバエは、牛や馬、豚などに強いストレスを与える畜産害虫です
サシバエは、ただ不快なだけではありません
吸血による不快感や休息の妨げは、採食行動や増体にも影響し、畜産現場の生産性低下につながります
サシバエ被害の現状
吸血昆虫の影響により、5ヶ月で体重が40kg減少する可能性が報告されています
飼料が体重に変換される効率が低下し、飼料要求率が悪化する可能性があります
出典:Boonsaen et al., Insects 2024
※サシバエを含む吸血昆虫に関する報告